ラガーレグルス 厩舎 栗東・大久保厩舎
サクラチトセオー 馬主 奥村 啓二氏
レインボーパーク <競走成績>
母父 ドン

出会い

私はGallopを毎週購読しています。Gallopの企画に「ペーパーオーナー」なる企画がある。私はサクラチトセオーを愛していたので、是非チトセオーの子供を応募しようと思っていた。とそんな事を考えながらページをめくって行くと「いた!」その週はチトセオーの子供が3頭の募集をしていた。あまり考えもせずに厩舎が大久保厩舎であるという理由だけで、そのチトセオーの子供「ラガーレグルス」を応募した。何週間か経過したあと、ペーパーオーナーの当選者の発表があった。私の名前が載っていた!当選したのである。

デビュー2連勝

私は関東在住なので、関西馬のレグルスの情報は乏しかった。競馬新聞の片隅に掲載されている欄で毎週チェックをしていた。そんな中ようやく片隅に「ラガーレグルス」という文字を見付けた。ダートの新馬戦である。チトセオーの子供がダート??と思った。翌日のスポーツ新聞の阪神競馬場の成績欄を見ると1着ラガーレグルス!!となっていた。

ラガーレグルスの次走は野路菊ステークスだった。ここでもレグルスは勝利しデビューから無傷の2連勝を決めた。デビューからの2連勝で私はもしかしたら重賞の一つや二つは勝てるんじゃないか?と思ったものだった。

真価

その真価を試される舞台はすぐにやってきた。レグルスは、デイリー杯3歳ステークスに出走してきた。レースでは地方笠松所属のレジェンドハンターが先手を取りそのまま逃げ込みレグルスはよく差をつめたものの2着に敗れた。まあ人気薄のレジェンドハンターに粘られたが、力のあるところを見せてくれたなと満足していた。この分だと、朝日杯3歳ステークスでも楽しめるかな?と思っていた。

通過点のはずが、、、

そしてレグルスは勇躍中山競馬場に乗り込んできていた。そう朝日杯3歳ステークスに出走するために。1番人気にはデイリー杯を勝ったレジェンドハンターが支持された。レグルスは2番人気でレースを迎える。

レグルスはスタートから好位4,5番手にすっとつけた。道中も折り合いもつき「あ〜レグルスの楽勝だ!」と思ってレースを見ていた。直線先行集団を射程圏に捕らえて直線を向いたときにはもう楽勝!な雰囲気だったが、見せ場はそこまでで、デイリー杯で見せた末脚を発揮することなく馬群に飲み込まれて7着でレースを終えた。レースを見終えた私は、レグルス故障でもしたのかな?なんて思ってしまった。それほどまでにレグルスの手ごたえは楽なように見えたからだ。落胆した私は寝付けない夜を過ごした。

朝日杯3歳ステークスの翌日スポーツ新聞のコメントを読むとどうやらレース中に落鉄をしていたとの事だった。それを読んで能力で負けてなかったと思い少しほっとした。

役者の違い

デイリー杯は展開のあやで負け、そして朝日杯は落鉄で負けたという理由がしっかりあるレグルスの次走には、暮れの阪神競馬場で行われるラジオたんぱ杯3歳ステークスに決まった。ラジオたんぱ杯3歳ステークスは毎年クラシックでの活躍馬を輩出している出世レースだ。ここにレグルスは2番人気のなかなかの支持を集めた。

レースでレグルスは後方に待機していた。3,4コーナーでごちゃつきレグルスは前が狭くなり行き場がなくなり騎手の佐藤哲三騎手が落馬してしまってもおかしくないようなくらいの不利を受けた。ここで万事休すかと思ったが、直線外に持ち出すと末脚を炸裂させて前を行く馬たちをまとめて差しきったのであった。

それを見ていた私はもう大興奮。そりゃもうテレビに向かって「レグルス!!!と大叫びだった。

あの末脚はまさに次元の違うといった末脚だったと確信し、「レグルスはG1を勝つ!」と信じた始めた日でもあった。

さらにレース後の佐藤哲三騎手のコメントがさらに驚いた。

「まだ6,7分のデキだった」

??6,7分のデキであんなすごいレースができるなんて、、、としばらく私は絶句した。レグルスが完璧な状態でレースにでてきたらどうなるのだろう??私は考えるだけでワクワクしていた。

何か歯車が、、、

3歳時を5戦3勝で終えたレグルスはクラシックの有力馬になっていた。皐月賞に向けての4歳初戦には共同通信杯4歳ステークスになった。レグルスは2番人気の支持を集めた。私はレグルスの信者と化し思いっきり勝負をしていた。

スタートが切られた瞬間7番枠にいる馬が出遅れた。

「7番??」

「なに!!レグルス?」

それはもう何といっていいのかわからないほどの致命的な出遅れをかましてしまったのであった。時計にして約2秒は遅れただろうか?前を行く馬たちとはもう10馬身くらいの差がついてしまった。

まさにこの時私の頭の中は真っ白になった。

レースは4コーナーにさしかかっていた。レグルスがようやく最後方の馬を1頭かわした。そしてまた1頭と順位を上げ伸びて来ているではないか!!

もしかして??もしかして!!

馬群を縫うようにして上がってくるレグルスを眺めていた。でももう先頭を行く馬たちとはまだまだ差があり、いくらなんでも挽回不可能だった。結局7着だったが、勝ったイーグカフェとのタイム差は0.9秒だった。あの出遅れさえなければ、、、と思わせるようなレースだった。

クラシックに向けて

共同通信杯4歳Sは負けはしたものの完全なる力負けではなかったので私はそんなに落胆はしなかった。ラジオたんぱ杯3歳Sで見せた末脚は間違いなくG1級と私は思っていた。

そして皐月賞のステップに陣営が選んだのは弥生賞。あの大出遅れがあってもファンはわかっているのか2番人気の支持を受ける。

共同通信杯でやらかした出遅れもなくあれはなんだったんだろう??なんて思っていた。結果は3着だったが、直線では前の2頭(フサイチゼノン・エアシャカール)を猛追した脚はすばらしかった。佐藤哲三騎手が脚を測ったようなレースだった。

そしてクラシックへ

そしてレグルスは予定通り皐月賞に出走してきた。私は皐月賞より広い府中でのほうがさらに力を発揮できると考えていた。でも皐月賞も軽く勝って、日本ダービーも勝って2冠も充分ありえると思っていた私の入れ込みようはホント半端ではなかった。

そんななかレグルスは2番人気に支持されていた。しかもゼッケン番号は1番。1番は父サクラチトセオーが天皇賞でつけていたゼッケンだ。親子で1番のゼッケンを付けG1制覇だななんてレース前は思っていた。

さあクラシック第1弾の皐月賞のスタートを迎えた。

ファンファーレもなり終わりゲート入りはスムーズに行われていた。

さあスタート!!

私はレグルスをずっと見ていた。

ああああああああああああ!!!!!!

レグルスが!!!!!

ゲートはまだ開いてなかったのでやり直しかと考えている間があったかないかの時、無情にもゲートが開いて皐月賞のスタートが切られてしまった、、、、。

他の馬は普通にゲートを出ている。

でも

レグルスが、、、、、

レグルスだけが、、、

ゲートの中でずっこけている、、、、

 

そこでレグルスはテレビから消えた。

 

もうレースなんて見れなかった。

レグルスがいない皐月賞なんて見れなかった。

私はただ、レグルスの安否だけ気にしていた。

涙を流しながら私はまたつぶやいた

レグルス大丈夫かな?

いろいろ論議を呼んだ「ラガーレグルス事件」だが、私は皐月賞でしりもちをついたことについてはコメントはしません。

 

復帰を目指して

ある日私は東京競馬場に来ていた。全12レースが終わったあとターフビジョンに京都でレグルスのゲート試験が行われた模様が映し出されていた。

無事にゲートから出るレグルスを見て安心したが!

なんとオヤジの一人がこういった。

「あ〜この前皐月賞で走んなかったバカ馬だろう?あれ?」

即座に私はそのオヤジに向かって応戦した。

「なんだ!その言い方は!!」

「頑張ってんじゃないか!!そんな言い方ないんじゃないか!!」

ほぼ私はケンカ調で詰め寄ろうとしたらオヤジは足早に人ごみに消えていった。

京都でゲート試験をパスしたレグルスは東京競馬場で日本ダービーに出走するためにゲート試験を受けたが不合格になり父も出走した一生に一度の晴れ舞台には出走する事ができなくなった。

札幌記念へ

その後レグルスは札幌記念に出走するためにゲート試験にあゆもうとしたが、今度はゲート練習中に右前脚に外傷を負い札幌記念には調整が間に合わない公算が強まり札幌記念も回避。

 

引退

レグルスは、10/12に右前浅屈腱炎を発症し1年以上の休養が必要と診断され、関係者の協議の結果、引退することになってしまった。10/20付で馬名登録を抹消、あまりにも早すぎる現役引退となってしまった。

そしてレグルスは種牡馬として共用されることになった。競走馬としては完全なる不完全燃焼に終わってしまったレグルス。一頭でも多くの牝馬に恵まれて自身の果たせなかったG1制覇はレグルスの子供が雪辱を晴らしてくれる日を信じて待っていたい。繋養先は、門別・ふるさと名馬ステーション。種付け料は未定とのこと。

最後に一言だけJRAに言いたい。

レグルスはJRAによってつぶされた

度重なるゲート試験や過酷な内容すぎる試験内容それは拷問というほかはない。

 

最後まで読んでいただきありがとうございました。感想・ご意見をお待ちしております。

2000/1/3 ダービーアイダ

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〜読まれた方の感想〜

Nさん

ラガーレグルス、読みましたよ。私も朝日杯では対抗(本命はエイシンプレストン)、共同通信杯、弥生賞、皐月賞と本命でしたので思い入れの深い馬です。父のサクラチトセオーはさほど好きな馬ではなかったのですが(笑)、この馬には何か惹かれるものがありました。共同通信杯で、あのハンデ(自分で作り出したものですが)をあそこまで詰めてきた脚は並の馬では出来ない芸当ですし、弥生賞もエアシャカールと差のない競馬。皐月賞では残念でしたが、「何やってんだ」という気持ちは全くと言っていいほどありませんでした。皐月賞が最後のレースになってしまいましたのは非常に残念です。父のように、古馬になってからさらに力をつけてくる可能性もあり、天皇賞・秋あたりでは非常に楽しめそうな馬だっただけに・・・(私もそう思いますbyダービーアイダ)。アイダさんのおっしゃるように、JRAの制度につぶされた、といってもいいと思います。また、大久保(正)厩舎の使って使っての流儀も、レグルスには合わなかったのかもしれませんね。種牡馬になれたのは幸いでした。種付け数に関しては厳しいといわざるを得ないのかもしれませんが、なんとか1頭でも活躍馬を出して、第2の馬生、充実したものを送ってもらいたいと願っています。(2001/01/04)
ゆずマンさん POGでラガーレグルスに目をつけるとはすごいですね〜♪私がラガーレグルスを好きになったのは、サクラチトセオーの仔は瞬発力に優れていると思ってたためです。だって私の愛馬ジェニュインがあんな後方から差されるなんて思ってもなかったからです。共同通信杯のレースはテレビで見てて、興奮しました。普通あんなに出遅れたら、全く競馬にならないはずなのに、0.9差の7着まで追い込んだんですからね。この時、私は今年のダービー馬はこの馬しかいないと思いました。血統もトニービンの血を受け継いでいるのですから、府中に絶対に向くと思ったからです。
弥生賞の差の無い競馬でも、皐月賞も勝つのではないかと思い、雑誌のGI予想コンテストでも皐月賞・ダービー共に「ラガーレグルス」と自信を持って書きました。しかし、あの皐月賞のレースは今でも悲しい競馬だったなと思います。
その後のJRAに対しては私も怒りを覚えましたよ。明らかにダービーに出走させたくないかのような処置ではないですか?観客も声援ではなく罵声を浴びせるかのように、ゲート入りしたラガーを興奮させていたそうですね。
「先頭はエアシャカール!!」
「そしてその外からはアグネスフライトがやってくる!!!」
「エアシャカールかアグネスフライトか!!!!」
「さらに外からラガーレグルス!!!!!」
今でも絶対ダービーはこの馬が勝てたと思ってます。
(私もそう思いますbyダービーアイダ)(2001/01/04)
ケイさん ラガーレグルスはJRAのシステムにつぶされたのかもしれません。それと僕は厩舎の使い方のほうに問題があると思ってます。確か記憶が正しければラガーレグルスはデイリー杯のあとに屈腱炎を発症していたはずです。そこで休ませれば... と僕は思っています。もうちょっと大事に使っていれば...と思います。
しかし種牡馬入りできたようなので産駒に期待したいと思います。長々と失礼しました!
(2001/01/05)
しゃんたるさん ラガーレグルスのファンなのですね。僕も好きな馬の1頭です。レグルス、デジタル、リーヴァはこの世代の中で好きです。今でもクラシック勝った馬よりこの3頭の方が強いと思っています。
東京でのゲート試験のときは酷かったですね。実際には行ってないのですが、心無い者からのヤジが・・・僕が現場にいたら、我慢できたかどうか・・・(私だったら片っ端から殴ってますbyダービーアイダ)彼とは共同通信杯、弥生称、皐月賞の3度しか会えませんでした。今は門別に居るのですね、夏に会いに行って来ます
(2001/01/10)
JUNさん 私は彼のデビューからずっと応援していました。手記にもありましたように、彼の末脚は凄いのひと言に尽きます。
何よりも彼の出るレースすべての予想に私は◎を付けていたほどです。
私もあの皐月賞は忘れられません。あれこれコメントをするつもりもありませんが、「あんなレースはカンパイだ」とか、「JRAは払戻しろ」とか、ラガーについてかなり罵声が飛んでましたが、そんな事よりも彼の心配をしろと心底思いましたね。私も彼から馬券を買い、合計15000円ぐらい買ってました。一介のサラリーマンの馬券としては決して安いものではないと思います。でも15000円の損失よりも、ゲートで立ち上がった事で彼の後ろ脚は大丈夫だろうか、馬体に怪我は…etc、とにかく彼の生命を危惧してばかり。
競走馬は経済動物です。しかし機械や物とは違います。考える力を持っています。美しく速く走る姿を見せてくれます。生命を持っているのです。先日、島根県の某乗馬クラブで引退競走馬が虐待を受けているニュースを見ました。詳細は私のHPのBBSに書き込んでありますが、競馬を愛する人間はギャンブル性よりも馬を愛してやる事が本当の意味でのファンだと信じています。もう彼の姿はターフの残像でしかないのかも知れませんが、彼の仔がデビューしたら、迷わず◎をつけてやります。
(2001/02/09)
しょうさん

2001/08/14 (Tue)

こんにちは。 こんなところに、ラガーレグルスの話があったなんて、知りませんでした。 たまたま、種牡馬生活はどうなってるのかな、って久しぶりにサーチして、見つけました。 詳しくは書きませんが、レグルスの大ファンでした。 それと、罵声を飛ばした観客に殴りかかろうとした佐藤哲騎手も大好きです。 「名馬のふるさとステーション」入りが決まったときも、種牡馬が決まったときも、涙が出るほど嬉しかったものです。 レグルスはJRAにつぶされたというのは、その通りだと思います。 願わくは、第二のレグルスが出ないように。 それと、レグルスがいい仔に恵まれますように。

 

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